海外の波 海大陸
海上で過小、陸上で過大評価されてきた島の雨量予想
島の天気は難しい。
予報コンピュータの限界で海なのか陸なのかの計算が島だとあいまいだから。
南の島だと「陸の夕立と海上で朝の雨」と言っておけば何となくあたってしまう。
「海大陸(Maritime Continent)」という概念が難解な島の天気を解明しつつある。
「海大陸」とは赤道上に散らばるインドネシアを中心とした大小の島々とその周囲に広がる大変暖かい海から構成された地域。
海と陸の両面の性格を持ち、水蒸気量と太陽の熱エネルギーが地球上最も大きいこの辺りはウネリの素の宝庫。
いつもは貿易風(東風)だが一時的にインド洋から「無風または西風」領域が接近する(MJO)現象が起きると通常の「陸の夕立と海上で朝の雨」のパターンが一層はっきりする。
熱帯の雨はMJOで降るのだ。
このわかりやすい天気が発展すると熱帯低気圧の素(積乱雲)が出来、更にこの雲が東に流れるとオーストラリアが雨季になる。
インドネシアの無風や西風やはっきりした天気がウネリの素のきっかけらしい。
2000年度から現地政府機関の協力により多数のレーダー気象観測点が設置され研究は進んでいる。