波が出ない 寒の戻り
鎌倉を驚かしたる余寒ありby高浜虚子
「余寒」は春の季語。
温暖な筈の湘南を春先に寒気が襲って「寒っ!」て事を詠んだ俳句。
こんな時、太平洋側は波が出ない。
真冬ならば寒気が中国大陸からすっぽり日本列島を覆い太平洋側は西風によるサイズアップがあるからまだウネリの見込みはある。
状況が違う点は春の寒さの前には必ず暖かさがある事。
天気は補償性があるから埋め合わせる風が吹くのだ。
それは気圧配置で言えば南岸低気圧で、天気図上は一見低気圧接近で太平洋側のサイズアップだ。
しかし驚くほどの「余寒」があるときは南岸低気圧が通過後の吹き返しの北よりの風による寒の戻りの方が圧倒的に強く、せっかくの南ウネリもオフショアが強すぎてフラットになってしまう。
真冬ほど寒気が強くないから西風にまで回り込まない程度なのでひたすらサイズダウンなのだ。
波があるのが日本海側。
冬が一時的にでも戻ってくるから太平洋側の「余寒」は良い知らせ。
一時的というのも都合よくサイズアップした後北よりの風でクローズは続かずに風穏やかでサーフタイムがやって来る。