環境と波 海の酸性化
ウニの棘、短くなって良かった…なんて言わないで
地球温暖化の原因は人間活動の排出する二酸化炭素ではないかと指摘されて久しい。
海は大気から二酸化炭素を吸収している。人間はざっくり1kg/日の二酸化炭素を排出する。ヒトの営みを含む大気中に排出される二酸化炭素は96億トン/年。植物が吸収する二酸化炭素が29億トン/年、海が吸収する二酸化炭素が19億トン/年、残り52億トン/年が大気中に残り温暖化を加速させる。
海が19億トンも年間に二酸化炭素を吸収しているなんて!ただなんでも過剰になるのはいただけない。
海水に二酸化炭素が溶け込むと海水が酸性化するのでこれを「海洋酸性化」(=水素イオン濃度指数(pH)の低下)と呼び「もう一つの二酸化炭素問題」とされている。
海が酸性化するとどうなるのか?海の中にある炭酸カルシウムが減り、カルシウム不足になる。
貝やサンゴなど体の外側を殻で覆うタイプの生物には深刻。
地球環境研究センターがムラサキウニを産業革命以前の濃度に近い低い二酸化炭素濃度である300ppmから濃度を段階的に高くした海水で育てる実験を行った結果、600ppmの二酸化炭素濃度で飼育したウニは棘が短くなったとの事。
毎日海に入るサーファーならウニの違いに気付けるかも。
具体的には太平洋域のpHは1990年以降10年あたり0.016低下。IPCCは「産業革命以降の約250年間にpHは全球平均で10年あたり約0.004低下した」と報告しているから近年の太平洋域での進行は4倍も速いのだ。