天気の謎 台風が日本付近で速度を上げるわけ

速度アップは日本が熱帯でない証拠

自分の力で動けない台風は周りの風任せで進む。

海面付近の風よりも上層の風のほうが圧倒的に強いから、約5千m以上の風が台風の向きと速さを決める。

台風は発達すれば1万mの背の高さになるが、未発達の場合は5千mほどのチビ台風もありうる。

この台風の「身長」こそが風を受ける「帆」の役割。

日本付近に接近すると台風が加速するわけは日本列島が中緯度で偏西風が強い(=ジェット気流の)流れる地域だから。

偏西風は南と北の空気の温度差で吹く。

日本列島は熱帯と違って北の上層からは北極の冷たい空気が徐々に南下しているから南の熱帯からの暖かい空気との間で風が強まるのだ。

台風が偏西風に乗ったとか台風がジェット気流に乗ったとも表現されるこのスピードアップは特に日本海側で顕著。

当たり前だが日本海の方が北からの寒気により近いから偏西風も強くなることが多いから。

波がまとまるのは時間がかかるから台風がスピードアップするとウネリは生まれ難くなる。代わりに風が強まってしまう。

台風の風に、台風が移動するスピードも加わってしまうからだ。

こうなるとウネリよりも風が先に届いてしまう。

スピードアップしたら通過後のバックスエルに期待する方が安全。