なぜ冬型なのに太平洋側で西~南西風が吹く事があるのか
北海道の東にコンマ状の雲が無いかチェック そこに向かって風は吹くのだ

西高東低の冬型気圧配置の風向は基本的に北で日本海側はサイズアップの傾向である。が、一冬で1~2回太平洋側も何故か南西風で波がある場合がある。
原因は「鍋底寒気」と呼ばれる上空の寒気でこれはちょうど鍋の底のように寒気の最南端の部分が平らになっているもの。冬型になる時はその前に日本海側か太平洋側を低気圧が通過して日本列島の東に抜けて大陸から高気圧が張り出し、西高東低となる。
低気圧の仕事は温かい空気と冷たい空気をかき混ぜる事なのでかき混ぜ終われば消滅するが鍋底寒気が上空に入ると寒気が続く為なかなか仕事が終わらない。
日本の東に低気圧が抜けてもどんどん空気を吸い込む事をやめない為、特に東日本太平洋側では低気圧に吹き込む風は南西になる。
寒気が強いのでもっと南風をよこせという状態。鍋底寒気を知る方法は地上天気図からは難しいが北日本に突然発生する低気圧が北海道の東に抜けて発達し続ける時は怪しい。雲の様子ではコンマ状の雲や台風の様にぐるぐる回転している派手な雲が筋状の雲を吸い込んでいるのでわかる筈。

