波が出ない 梅雨明け10日

夏到来。海は気持ち良いが…波は無しでも例外もあり

春の高気圧(揚子江気団)と夏の高気圧(小笠原気団)は性質が異なるので簡単には混ざり合わない。前線とは即ち違った空気の塊同士の摩擦がその元だから、春と夏2つの気団の押し合いの間に出来るのが梅雨前線。

この押し合いはたいていは南側の小笠原気団(夏)が梅雨前線ごと揚子江気団(春)を押し上げて夏到来となる。

「梅雨明け10日」という言葉がある。

10日間は猛烈に晴れて気温上昇し熱中症に注意、紫外線も強烈だということ。

この間波が立ちにくいのは優勢な高気圧に覆われて風が止む「油照り」になるから。風が止むとはすなわち波の元がないに等しい。

また下から春を持ち上げてしまう程の夏の高気圧は強いので台風や熱帯低気圧、温帯低気圧を近づけないから遠くに発達した台風があってもウネリが何とか届くのに10日はかかるからだろう。

例外もある。

春の高気圧がいつまでも強く、夏の高気圧が弱いままで梅雨前線ごと押し上げられてきれいな梅雨明けとならないケース。

それでも夏はやってくる。

春の高気圧が日本列島に停滞したまま、太陽の放射で暖まった陸地や海からの熱供給で春の高気圧が徐々に夏の高気圧の性格を帯び(専門的には気団変質という)て人知れず南側にあった小笠原気団との差がなくなり、梅雨前線が消滅して夏になっているパターンだ。

こんな時の夏の高気圧は弱く、低気圧の浸入を許しやすいし、高気圧が北側にある事が多く北東風で東向きのポイントは波に恵まれやすい。