季節の風 カツオノエボシと初夏の風
初夏の連続10日の南風は要注意
2018年5月3日ごろ神奈川県鎌倉市由比ヶ浜海岸付近にて毒を持つクラゲであるカツオノエボシの大量漂着が確認された。
このときはゴールデンウィーク中ともあってニュースになった。
漂着したカツオノエボシは10㎝程の細長い浮き袋を持つ、猛毒の危険生物。
風船は10㎝でも毒のある触手は数mなので海で視界に入ったら触手はもう触れている可能性もある。
浮き袋が綺麗な青い風船にも見え、知らないと触ってしまう。
カツオノエボシは風船の部分が水面に飛び出て浮いて生活。
風を受けて帆船のように進む自分では移動できないクラゲ。
アメダス辻堂をチェックすると、2018年4月は30日中23日が南風、これで南海上のカツオノエボシが急接近したと考えられる。
さらに5月3日までの連続10日間は南風で、平均最大風速は7.7mで最終日5月3日は14.2m/sの最大風速でこの風が決め手となった。こんなときは波もあがるから困る。
梅雨時でずっと波がなく高気圧の縁(へり)で南西風が10日も吹き続ければうねりもやっとまとまるがカツオノエボシもやってくるのだ。同じ天気図がつづくとき、同じ角度で風が吹くので南成分でロックされるとこの時期は厄介なのだ。
最悪最強のカツオノエボシにも天敵がいる。
「アオミノウミウシ」ハワイ原産のウミウシで模様や尻尾の様子がトカゲに見えることから英語圏ではSea lizardとかBlue dragonとかblue Angel(青い天使)とも呼ばれる。世界中の温帯・熱帯の海域に分布。当然日本近海にもいる。