波が出ない 熱低が台風にならない
背の伸びない熱帯低気圧
熱低は台風の卵。
中心付近の最大風速が17mを超えると台風になる。
熱低が発達し風が強くなる時、その背の高さも伸びる。
だから背が伸びない熱低は台風にならない。
日本の夏の象徴は太平洋高気圧に間違いないが、太平洋高気圧があっても暑くない夏もある。
所謂お天気お姉さんが紹介する天気図は「地上」天気図といい海抜0mの気圧配置。
実は上空ではまったく違った気圧配置になっている。
一つはチベット高気圧の存在。
圧倒的な夏の太陽放射は地球で一番標高の高いチベット方面を一番に暖め、その上昇した空気が高度1万m以上でまとまってチベット高気圧になる。
日本の上層までチベット高気圧が伸びてくると、下層の太平洋高気圧と重なって猛暑となる。
35℃を超える猛暑日になる地点は山の吹きおろしのフェーン現象かチベット+太平洋高気圧の二枚重ねかのどちらかの影響大だ。
さて太平洋高気圧が少し引っ込んで熱帯低気圧が出来た時でも、実は「地上」天気図に描かれないチベット高気圧が熱低の上にかぶさっている場合がある。
これが熱低の背が伸びずなかなか台風にならないケース。
猛暑の時は日本付近の熱低が台風になりにくいし、また逆に熱低が台風に発達した時に猛暑が緩む感覚があるのはチベット高気圧が撤退した証拠。
ちなみにフィリピン近海までチベット高気圧は出張っていけないのでフィリピン近海の熱低は台風になりやすいと納得出来る。